トウシューズ(ポアント)について
「バレエといえばトウシューズ」と思いがちですが、本当は「プロバレリーナといえばトウシューズ」なんです。
「プロを目指さない子どもにはトウシューズを履かせなくて良い」という見解もあり、「習い事であっても、トウシューズを履くなら週2回以上のレッスンは必須」というが本当のところです。

必要な条件が整った体(※)でトウシューズを履くと、体がさらに上へと伸びる感覚を得られたり、より回転ができたり(床との接地面が小さくなる為)、何より素晴らしく美しいラインを描けます。
ただ条件が整わないと、こんなに悲惨な靴はありません。あんなに小さな爪先に全体重を預け、日常では決してやらない動きをやるのです。思うように動けないどころか、バレエのステップが何一つマトモにできません。
例え体の条件が整っていても、怪我とはいつも背中合わせですし、それ相応の訓練を続けなければ、過剰に筋肉を発達させる事にもなってしまいます。
履く為の条件(※)
・骨がちゃんと成長している
・骨盤を真っ直ぐにできる(正しい位置理解している)
・体幹が鍛えられ体を引き上げられる
・膝を常にしっかり伸ばせる
・足首を最低でもまっすぐまで伸ばせる(骨格により不可能な場合があります)
・足の裏が使える
・足の指が使える
・ターンアウト(開脚)する力がある
<12歳以下>
トウシューズを履くのに適すると言われる年齢は年々上がっています。週2回以上レッスンを受け、条件(※)がクリアできた場合、以前は10歳前後でトウシューズを履いていました(早いスクールなんて8歳位!)。ですが最近は、12歳前後が妥当だとの研究結果が出ています。それは、骨の完成をもっと待つべきだという考え方です。
また、週一回のレッスンでは12歳でも条件(※)はクリアしづらく、仮にバーレッスンで履く段階まではいけても、舞台で履くにはさらに時間を要します。
12歳というと、8歳でバレエを始めていても4年のキャリアがあり、回数に関わらず、多くの子が、布製シューズではバレエの動きがかなりできるように見えます。
ですが、条件(※)がクリアできていないと、トウシューズを履いた途端、また8歳(もしくはそれ以前)に逆戻りしたような踊りしかできず、無駄な怪我や、筋肉の過剰な発達を促してしまいます。
また、もうすでにトウシューズを履き出している子たちは、今はまだトウシューズでの練習をし過ぎる必要はありません。とにかく普段のレッスンで強くしなやかな体を作る事を最優先させてください。そうすれば、おのずとトウシューズはちゃんと履けるようになってきます。
たまに「このトウシューズ立ちにくい。」などという言葉を耳にするのですが、それは大きな間違いである可能性が高いです!フィッティングして決めたトウシューズならば、条件(※)を満たしていれば、ちゃんと立てます。トウシューズが悪いのではなく、体のスキルがまだ足りていないのです。この位の年齢で言う「立ちやすいトウシューズ」というのは、ちゃんと立てるのではなく、乗っからせてくれるトウシューズである可能性もあります。これは、とても危険な上、見た目も全く美しくないので気をつけましょう。
<13.14歳以上>
全ての条件(※)を完璧に満たしていなくても、バレエ暦があるならば、トウシューズを履く事が比較的可能になってきます。理由は骨が成長した為、トウシューズによる骨へのリスクが減るからです。ただ、ちゃんと踊れるか、怪我が減るか、筋肉の過剰発達が無くなるかどうかは全くの別問題で、これを解消するにはやはり条件(※)が必要になります。
*
「憧れのトウシューズを少しでも早く履きたい!!」と言うならば、9歳前後から週2回以上のレッスンを休みなくちゃんと受ける事が必要です。それでも個人差はあります。成長や骨格の問題もあるので「頑張る→履ける」とはいかない事も知っておいてください。あ、でも頑張れない人は、絶対に履けません。また、レッスンで履く事を許されても、舞台で履くには、さらに時間がかかる事も忘れないでください。
<舞台での話>
劇場へ来てくれるお客様たちは、何のシューズを履いているかより、踊りそのものを観ているはずです。トウシューズか否かにこだわるのは、バレエをやっている(いた)人の些細な見栄でしかないと常々思います。
今まで様々な舞台で、トウシューズを履く事で満足な踊りができない子どもたちを沢山観てきました。舞台に立つ以上は、そこで良いパフォーマンスをし観客の心を動かす事が目標ですよね??(少なくとも、バレエタイムはこそを目指しています。) トウシューズによって、さらに良い踊りができるのなら履くべきですが、少しでも踊りのレベルが下がるなら、自分の為にも、お客さまの為にも、舞台では絶対に布(サテン)シューズで踊るべきです。トウシューズはただの邪魔者と考えた方が利口です。
<プロを目指す人>
その後のダンサー人生の為に、トウシューズを履くに時期や、練習は更によく考えましょう。
条件(※)をクリアした上、その事をよく理解し、自分でチェックできると良いですね。慣れないと危険なトウシューズなので、闇雲に練習しないようにも注意しましょう。
プロになったり、上手になる子たちは、資質以上に情熱があります。往々にして教師が呆れる程よく練習をし、レッスンは休まず(脚捻挫の場合は上半身だけ練習しに来たり、どこか具合が悪くても寝ていなくて良いのなら見学したり)、疲れや痛みに強く、超ストイックで、精神がタフです。
私自身は、バレリーナを目指していた訳ではなく、超ストイックではありませんでした。それでも練習のし過ぎで怪我をした事は何度もあり、周りにもそういう人は多くいました。10代の頃に痛めた腰と足首は、20年以上経った今もたまに痛みます。バレエを教える事での支障はありませんが、もしもダンサーだったら、これは大問題です。
若い頃の怪我を一生引きづる踊り手は少なくなく、結局そのせいでダンサーを諦めなければならない…なんて話にもなりかねません。
バレエは、間違った踊り方をした場合、いつでも怪我の可能性があるので、せめて、無理して早くトウシューズを履く事での障害は無くしていければと考えています。
条件の一つである「ターンアウト」はバレエでは最も重要で、必ずできるようになりたい動きの一つです。というか、ターンアウトができなければクラシックバレエではないんです。脚を上げるのも、回るのも、ターンアウトの上に成り立つものです。
この事も、またブログにアップしようと思っていますので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。
「プロを目指さない子どもにはトウシューズを履かせなくて良い」という見解もあり、「習い事であっても、トウシューズを履くなら週2回以上のレッスンは必須」というが本当のところです。

必要な条件が整った体(※)でトウシューズを履くと、体がさらに上へと伸びる感覚を得られたり、より回転ができたり(床との接地面が小さくなる為)、何より素晴らしく美しいラインを描けます。
ただ条件が整わないと、こんなに悲惨な靴はありません。あんなに小さな爪先に全体重を預け、日常では決してやらない動きをやるのです。思うように動けないどころか、バレエのステップが何一つマトモにできません。
例え体の条件が整っていても、怪我とはいつも背中合わせですし、それ相応の訓練を続けなければ、過剰に筋肉を発達させる事にもなってしまいます。
履く為の条件(※)
・骨がちゃんと成長している
・骨盤を真っ直ぐにできる(正しい位置理解している)
・体幹が鍛えられ体を引き上げられる
・膝を常にしっかり伸ばせる
・足首を最低でもまっすぐまで伸ばせる(骨格により不可能な場合があります)
・足の裏が使える
・足の指が使える
・ターンアウト(開脚)する力がある

<12歳以下>
トウシューズを履くのに適すると言われる年齢は年々上がっています。週2回以上レッスンを受け、条件(※)がクリアできた場合、以前は10歳前後でトウシューズを履いていました(早いスクールなんて8歳位!)。ですが最近は、12歳前後が妥当だとの研究結果が出ています。それは、骨の完成をもっと待つべきだという考え方です。
また、週一回のレッスンでは12歳でも条件(※)はクリアしづらく、仮にバーレッスンで履く段階まではいけても、舞台で履くにはさらに時間を要します。
12歳というと、8歳でバレエを始めていても4年のキャリアがあり、回数に関わらず、多くの子が、布製シューズではバレエの動きがかなりできるように見えます。
ですが、条件(※)がクリアできていないと、トウシューズを履いた途端、また8歳(もしくはそれ以前)に逆戻りしたような踊りしかできず、無駄な怪我や、筋肉の過剰な発達を促してしまいます。
また、もうすでにトウシューズを履き出している子たちは、今はまだトウシューズでの練習をし過ぎる必要はありません。とにかく普段のレッスンで強くしなやかな体を作る事を最優先させてください。そうすれば、おのずとトウシューズはちゃんと履けるようになってきます。
たまに「このトウシューズ立ちにくい。」などという言葉を耳にするのですが、それは大きな間違いである可能性が高いです!フィッティングして決めたトウシューズならば、条件(※)を満たしていれば、ちゃんと立てます。トウシューズが悪いのではなく、体のスキルがまだ足りていないのです。この位の年齢で言う「立ちやすいトウシューズ」というのは、ちゃんと立てるのではなく、乗っからせてくれるトウシューズである可能性もあります。これは、とても危険な上、見た目も全く美しくないので気をつけましょう。
<13.14歳以上>
全ての条件(※)を完璧に満たしていなくても、バレエ暦があるならば、トウシューズを履く事が比較的可能になってきます。理由は骨が成長した為、トウシューズによる骨へのリスクが減るからです。ただ、ちゃんと踊れるか、怪我が減るか、筋肉の過剰発達が無くなるかどうかは全くの別問題で、これを解消するにはやはり条件(※)が必要になります。
*
「憧れのトウシューズを少しでも早く履きたい!!」と言うならば、9歳前後から週2回以上のレッスンを休みなくちゃんと受ける事が必要です。それでも個人差はあります。成長や骨格の問題もあるので「頑張る→履ける」とはいかない事も知っておいてください。あ、でも頑張れない人は、絶対に履けません。また、レッスンで履く事を許されても、舞台で履くには、さらに時間がかかる事も忘れないでください。

<舞台での話>
劇場へ来てくれるお客様たちは、何のシューズを履いているかより、踊りそのものを観ているはずです。トウシューズか否かにこだわるのは、バレエをやっている(いた)人の些細な見栄でしかないと常々思います。
今まで様々な舞台で、トウシューズを履く事で満足な踊りができない子どもたちを沢山観てきました。舞台に立つ以上は、そこで良いパフォーマンスをし観客の心を動かす事が目標ですよね??(少なくとも、バレエタイムはこそを目指しています。) トウシューズによって、さらに良い踊りができるのなら履くべきですが、少しでも踊りのレベルが下がるなら、自分の為にも、お客さまの為にも、舞台では絶対に布(サテン)シューズで踊るべきです。トウシューズはただの邪魔者と考えた方が利口です。
<プロを目指す人>
その後のダンサー人生の為に、トウシューズを履くに時期や、練習は更によく考えましょう。
条件(※)をクリアした上、その事をよく理解し、自分でチェックできると良いですね。慣れないと危険なトウシューズなので、闇雲に練習しないようにも注意しましょう。
プロになったり、上手になる子たちは、資質以上に情熱があります。往々にして教師が呆れる程よく練習をし、レッスンは休まず(脚捻挫の場合は上半身だけ練習しに来たり、どこか具合が悪くても寝ていなくて良いのなら見学したり)、疲れや痛みに強く、超ストイックで、精神がタフです。
なので、無理をして怪我をしやすいです…。
私自身は、バレリーナを目指していた訳ではなく、超ストイックではありませんでした。それでも練習のし過ぎで怪我をした事は何度もあり、周りにもそういう人は多くいました。10代の頃に痛めた腰と足首は、20年以上経った今もたまに痛みます。バレエを教える事での支障はありませんが、もしもダンサーだったら、これは大問題です。
若い頃の怪我を一生引きづる踊り手は少なくなく、結局そのせいでダンサーを諦めなければならない…なんて話にもなりかねません。
バレエは、間違った踊り方をした場合、いつでも怪我の可能性があるので、せめて、無理して早くトウシューズを履く事での障害は無くしていければと考えています。
条件の一つである「ターンアウト」はバレエでは最も重要で、必ずできるようになりたい動きの一つです。というか、ターンアウトができなければクラシックバレエではないんです。脚を上げるのも、回るのも、ターンアウトの上に成り立つものです。
この事も、またブログにアップしようと思っていますので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。
スポンサーサイト