今から10年前、こんな手紙をくれた子がいました。(当時6歳)

その子は、この6年後に12歳でバレエを辞めました。
その時の辞め方が、とても良かったんです。
決して器用に話せる子じゃないけれど、とつとつと、私に辞める理由を話してくれました。
子どもの習い事のいいなと思うところは「いつか辞める」ことです。
もちろん、中には、ずっと辞めない子もいるかもしれませんが、ほとんどは、いつか辞めます。
プロになるとしても、その時は、習い事であるバレエを辞める時です。(この場合は、今日の内容と少しズレるけど…)
何かを始めるより、辞める事のが難しいですよね。続ければ続けてる程、難しい。
それは、ほとんどの人が、感じてる事だと思います。
部活は、時期がくれば、嫌でも対象学年全員が卒部です。(まあ、途中で退部ってのもいるけど…)
学校も同じ。(留年は、基本的には、望んでするものではないですし。)
なので、多くの子どもたちが「辞める」作業を身近にできるのは、習い事だと思ってるんです。
「辞める」って、人生においては、とても大切な事ですよね。
「辞める」のは、新しいステージへの一歩ですから、ちゃんと辞められないと、清々しい一歩を踏み出せないですもん。(と私は思ってる。)
しかも、卒業や入学とは違い、自分で悩み、決断するところに、すごく意味があると感じています。
大人が、子どもと一緒に「辞める」事について考えられるのは、習い事ならでは!
じゃないかなぁ。
大人になると、イヤでも重大な事を辞めなきゃならない時ってありますよね。
その時に、少しでも、ほんの少しでも役立つかもしれないですから。
なのでね、
ただ「辞めたいから」とか、「受験だから」とかで、「はい、じゃあ辞めましょう。」じゃなく、親子で「辞める」ことについて、ちゃんと色々話してくれると良いなぁと思っています。
「辞め方」って難しいからね。
子どもの時に経験するって良いと思うんですよ。
うちの教室では、辞めるとの報告があった際、自分で話せる子には、「お子さん本人の言葉で、辞める事を私に報告して欲しい。」とお願いしています。
そこは、ママに甘えずに、ね。
「辞める」って、一歩すすむ事だから。